トップページ > エコアカデミー一覧 > 第3回 電気の未来~スマートグリッドがつくる新しい地域・社会システム
-スマートコミュニティは現状ではどのような運用段階なのでしょうか-
昨年、経済産業省が横浜市、愛知県豊田市、京都府(けいはんな学研都市)、北九州市の4地域を選定し、今年からスマートコミュニティの実証実験がスタートしています(注2)。 首都圏では東京都江東区の豊洲地区、千葉県柏市の柏の葉キャンパスシティなどで実証実験が計画ないしは実施されています。
豊洲地区では再開発の一環として、ごみ処理の熱や、海水利用冷暖房システム(ヒートポンプ)など未利用エネルギーや太陽光発電を使うという新しいまちづくりが進められています。実際に住んでいる方が参加して、スマートコミュニティを通じて電気の使い方を「見える化」すると実際にどのような効果があるかを体験するものです。結果を得て、それが成功であれば広げていく、また、技術開発の余地があれば、それに取り組んでいく。そのような段階です。
東日本大震災以降、国も自治体もスマートグリッドやスマートコミュニティの導入を加速させようという動きがあります。特に、東北や北関東など被災された地域では、自治体として社会インフラをどのような形で再建するかが大きなテーマです。災害などで、電力系統に事故があっても、公共施設や病院、学校などに、3日から1週間程度、自律できる最低限の機能やシステムがあれば、乗り切ることができると実感されたのではないでしょうか。
-社会インフラへのスマートグリッドの導入にはどのような課題があるのでしょうか-
ごみや下水処理で発生する熱をヒートポンプで空調に利用するなど都市の未利用エネルギーの活用、電気自動車の充電ステーションの整備、太陽光発電や風力発電で作られた電気を送る配電線の整備など、スマートグリッドの導入は、新たな社会インフラを進める上で、その計画に大きく影響します。
社会インフラを整備する一義的な主体である自治体は、重要な役割を担うと考えられます。 なぜかというと、都市部では、熱、電気、上下水道の多くは地中化され、道路と一体となっています。そして、道路、水道、建物など都市インフラに関しては、自治体が許認可権をもっています。一方で、エネルギー事業者は、電力系統について専門的な知識をもっています。スマートグリッドやスマートコミュニティの導入を実現する上では、自治体とエネルギー事業者が連携し円滑に作業を進められる体制を整えることが重要です。
横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)の概要(注3)(画像クリックで拡大 97KB)
(出典:経済産業省:次世代エネルギー・社会システム実証マスタープラン横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)より)
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